映画看板のまち青梅
2009年 03月 14日
いきなりの美空ひばりで、驚かないでくださいね。これは50年近く前に封切られた美空ひばり主演時代劇映画「花笠道中」の看板の一部でありまして、引いて全体をみるとこんなふうに、神社の入口の鳥居の脇、ごく普通の街角に設置されているものです。
看板が掲げられているからといって近くの映画館でリバイバル上映をやっているというわけではない。こんなノスタルジックな手描きの映画看板が町中至るところにあって誰でも見られるのが、「昭和レトロ」を旗印に地域活性化を図っている青梅の町なのでありますね。わたくしも一度ならずお会いしたことがありますが、青梅街道沿いの自宅の蔵を利用して「昭和レトロ商品博物館」や「青梅赤塚不二夫会館」を運営しているアイデアマンの横川秀利さんはじめ、地元商店会や役場の人たちが十数年前、「町おこし」を企画していくなかで、昭和の風情を色濃く残している青梅の街角とTVが隆盛する以前の昭和という時代に頂点に達した映画が結びついて、偶然か運命か当地生まれで現在も市内在住の久保板観さんという映画看板絵師の存在があって、いまや映画看板の町として日本中に知られているのでありますね。
つい2日前、青梅市内のさる役所に所用で出かけたおり、これまで青梅街道は数えきれないほど車やバイクで走り、青梅の町中も何度となく抜けて、車中から映画看板を見て雰囲気を味わったりしたことはあっても、歩いてゆっくりと見たことがなかったのに気づき、というよりいつかちゃんと見てみようという気持ちも大きく潜在していたので、役所の用事が10分ほどで終了したのを幸い、足を伸ばして青梅街角散歩とあいなったのでした。自宅からちょうど10キロ、標高差80メートルほど、通り慣れた道ではありますが、あいにくの多摩おろしといったらいいか、けっこうな冷たい北西風に逆らって自転車で行くのはかなりの運動でありました。
いったい何種類の映画看板が町なかにあるのか、季節を変えて掛け変えられたりもしているようなので分りませんが、目についたものをランダムにご紹介してみることにしましょう。ちょっと数が多いかもしれませんが、飽きたら飛ばしてください。
青梅は、新宿から直通の青梅特快に乗ればちょうど1時間。町をぶらぶら歩いて映画看板を探して見るだけでも面白いと思いますよ。ぜひどうぞ。