横田基地をひとまわり 5
2008年 10月 21日
滑走路のオーバーランのさらに北端は小高い丘になっていて、16号国道と新青梅街道の立体交差点までペンギンのくちばしのように続いて、そこで敷地は終るようです。文章ではなかなか伝えにくいので、またまた Google Earth から衛星画像を借りると、こんな具合でありますね。
右上隅が新青梅街道がくぐる立体交差点、左下に向けてゆるくカーヴを描いているのが16号国道。JR八高線も並走しています。わたくしはなるべくフェンス沿いに行きたいので、第2ゲートまでこの16号国道の基地側を行くのでありますが、同じところをこれまで車でなんべんも走っているので分かってはいましたが、これがなかなかに危険な行為でありました。というのはいちおう歩道らしきものが一段高く設けられてはいるものの、ところどころで通行禁止になっていたり草が茂っていたりで、おまけに幅が狭くてまともに自転車を走らせることができないのであります。そこで車道を行くのでありますが、西側にトンネルのバイパスが何年か前にできたので、交通量はかなり減ったものの、それでも大型トラックがばんばん通ります。バイパストンネルの上り坂でスピードをあげた大型車が地上に出て、合流するとさらに風圧は高まるのでした。
さて、この合流点あたりで正面にこんな赤いものが基地内に見えてきます。手前で16号国道が右にカーヴしているからですが、もちろん常時見えるわけではありません。正面のフェンスの内側あたりがターミナルになっているのですね。乗降のために駐機しているというわけです。貨物の積み降ろしも同じ場所でしているようで、大型貨物飛行機が見えることもあります。
かつてパイロットの世界で「Follow the red tail.(赤い尾翼を追え)」という言葉が交わされていたことがあったそうであります。ノースウエストの米国内のハブ空港であったミネアポリスやデトロイトは、5大湖沿岸で気候が厳しい立地条件のため降雪などに見舞われることが多く、ノースウエストのパイロットたちにとって荒天時の離発着は日常茶飯、そこで天候を見極めて操縦する腕が抜群に磨かれた。他の飛行機が着陸時に悪天候で迷ったとき、前方にノースウエスト機が着陸態勢をとっていたらそれに従えば万全ということのようであります。現在はレーダー管制で、管制塔の指示に従ってすべては行われるようになっていますが、着陸の順番を「ノースウエスト機に続け」と指示するような場面に、いまでも「Follow the red tail.」と管制官が伝えたりすることがあるそうです。真偽のほどは分かりませんが、いかにもアメリカらしい逸話でありますね。しかしこのノースウエストも今年中にはデルタ航空に吸収合併されて消え去る運命です。赤い尾翼はどうなるのでしょうね。