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地下鉄のゲオルギウス

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 ちょうど2年前のいまごろのことであります。折から当地で開催された日本文化週間という催しに参加する日本からの訪問団の一員として、ウクライナの首都キエフに滞在しておりました。主会場となったキエフ大学モヒラ・アカデミーとホテル間の移動や市内探訪には地下鉄が便利でした。その地下鉄駅ホーム両端の丸天井にモザイクで描かれていたのが、キリスト教の聖人の一人、このゲオルギウスでした。槍を持って馬にまたがり、足下の竜の口に突き刺していますね。どこの駅だったかはもう忘れましたが、あるいは主要な駅にはどこにもあったのかもしれません。
 地下鉄のホーム全景はこんな具合。どこぞの宮殿や教会の豪華な廊下のようでもあります。
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 ずいぶん深い地下に作られていて、地上からは千代田線新御茶ノ水駅のエスカレーターに匹敵するのではないかと思われるくらいの長い時間がかかりました。あとで冷戦時代の核シェルターとしての役目もあったらしいと聞きました。
 高台に立つペチェルスカ大修道院の庭から市内を貫流するドニエプル河を見ると、半ば氷結した水はゆったりといかにも比重の重そうな流れとなって黒海へ向かうのでありました。
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 ゲオルギウスの名前は現在でも男の名前に受け継がれ、英語ではジョージ、ドイツ語ではゲオルク、フランス語やイタリア語ではジョルジュ、スペイン語ではホルヘ、ロシア語ではゲオールギイ(ユーリー)など、わりと一般的というか、よく聞かれるのは、もともとはカッパドキア出身の勇敢な軍人であり、竜退治の伝説のもととなり、キリスト教の殉教者とされただけでなく、本来のギリシア語の名前の意味が「働く人」つまり「農夫」であるところにあるのではあるのではないかと想像されるのであります。
 今年アメリカの大統領の座を降りるブッシュさんは農民出身というわけではなく、お祖父さんの代からの上院議員の家の出身でありますが、さて世界の平和のためにどんなふうに働いたのか、あるいは逆の働きをしたのか、評価は100年の歴史を待たなければならないでしょうね。

 なんともお恥ずかしい話でありますが、上述のようなことを思い出して書いたのは、たまたま洋服掛けに吊るしてあったままのダウンのコートのポケットをまさぐったら、こんなものが出てきたからでありました。
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 右がこの地下鉄の乗車チケットでした。50コペイカとあるので基本通貨の1クリブナ(たぶん20円くらい)の半額で乗れたのでしょう。左のマッチはやはりキエフ市内の独立広場近くのレストラン「コサック・ママン」のもの。この店のウクライナ料理についてはすでにここに紹介してありますのでよろしければご覧ください。
by fuefukin | 2008-01-09 14:07

日常の延長に旅があるなら、旅の延長は日常にある。ゆえに今日という日は常に旅の第一歩である。書籍編集者@福生が贈る国内外の旅と日常、世界の音楽と楽器のあれやこれや。


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