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ここ数日


 山梨県双葉町のフランス料理店ベルクのクリスマス・ディナーのデザートとお茶の時間に演奏を供する役目を仰せつかり、当初はヴァイオリンとギターのデュオをリクエストされていたのですが、幾人か探したもののヴァイオリンの都合がつかないので、わたくしのギター演奏だけで22日から降誕祭前夜まで、聖しこの夜やひいらぎなどのクリスマスソングや、フランス料理なのでシャンソン、ゆるやかなポピュラーの名曲などを交えて演奏し、ディナーの引き立て役を演じてまいりました。

 入院して1ヶ月あまりになる父親の様態の変化を告げる電話が鳴ったのはこんな用事を終えた降誕祭の朝でした。急いで滞在していた山の小屋から雁坂トンネル、秩父を抜けて病院に向かいます。2週間ぶりほどで見る父親の姿はさほど変化しているようには感じられなかったものの、意識はなく、酸素マスクをつけられたままの呼吸はかなり苦しそうでした。わたくしは十代最後のころからもう一緒に暮らしてはいなかったものの、心配の種を残したまま、積年の無沙汰や恩返しらしいこともしてやれなかったことを詫びるつもりもあってその晩は病院に泊まることにしました。家族も近くの住まいに帰って深夜、会話はないものの、病室でなんだか本当に何十年かぶりに二人きりの時間を過ごすことができたのでした。
 翌日昼過ぎに回診にやってきた若い担当医に様態を尋ねると、前日はこの1週間が山場だろうと言っていたものが、わたくしが呼吸がちょっと変わってきているようだと言うと、すでにナースセンターで心電図のモニターを確認したらしく、また血圧や脈の様子を診て、改めて今日が山場だと言う。それから2時間ほど、連れ合いと子供たち、親戚に見守られて静かに心臓をとめ、呼吸をとめ、旅立ちました。近くの郵便局に用足しに出かけたわたくしは何分か間に合わず、ほんとうに最期の最期まで親不孝な息子でありました。12月26日14時58分が医師の告げた時間でありましたが、この何分か前が実際にみまかった時刻でありましょう。
 大正12(1923)年2月1日生まれ、太平洋戦争をはさんで大正、昭和、平成を生きて84年と328日の生涯でありました。生前、お世話になったみなさま、一瞬でもかかわりのあったみなさまに心から感謝申し上げる次第です。
by fuefukin | 2007-12-28 11:03

日常の延長に旅があるなら、旅の延長は日常にある。ゆえに今日という日は常に旅の第一歩である。書籍編集者@福生が贈る国内外の旅と日常、世界の音楽と楽器のあれやこれや。


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