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見慣れないナンバープレート

 ふだんから前をいく車のナンバープレートなどさほど注意して見ているわけではありませんが、ときどきは 2222 とか 4567 とかの連続した数字を発見することもあって、そんなときはなんだか得をしたような気分になって、信号待ちなどでそれとは意識しないで見ていることもあります。見つけたからといって特別に利があるわけでも、縁起をかついだりすることもありませんが、運転すること自体わたくしにはそれほど苦にならないので、ニュースを聞いたり音楽を聴いたりする間の、なんとなく束の間のたのしみのようになっているのかもしれません。
 先日用があって国道16号を走行中、工事中の対向車の通過待ちで停止していると、前に停まっている車になんとなく不思議な感覚を受けました。
 どこにでもあるトヨタのハイエース、ちょっと大きめのワゴンですね。12人乗りくらいでしょうか。でもこのくらいの大きさの車だとふつうは業務用で、ルーフに梯子がのっていたり、サイドや後部に会社の名前や宣伝などが入っていたりするのですが、そんなものはなく、なんとなく自家用車のようにも見えます。ちょっとした違和感を覚えたのはそんなところにあったのでしょう。
見慣れないナンバープレート_d0054076_13324994.jpg
 あらためてナンバープレートを見ると、あらあら、はじめて見かけるものでした。拡大してみると、、、、、
見慣れないナンバープレート_d0054076_11494036.jpg
 上部に US AIR FORCE とあってまんなかにはアルファベットと三桁の数字。まあ差し障りがあるとは思えませんが、念のため数字はぼかしておきました。OV とは Official Vehicle の略でしょうか。三段目に所属、たとえば yokota とか misawa とかが表記されるらしいのですが、この車にはありませんでした。
 ちょうど出会ったのは入間近辺で川越方面に向かっていたときだったので、たぶん横田基地から出てきた車のようです。後部のスモーク窓越しに、空軍の布帽子らしきものをかむった兵隊らしき人物も見えます。どこへ出かけるのかついていくほどわたくしもヒマではありませんから、しばらくあとを走っているうちに、ほかの車が割り込んできたりして、そのうち見失ってしまいそのままになりました。
 日本のふつうのナンバープレートのひらかなの部分が Y になっている車はよく目にします。ずいぶん長いあいだ、この Y は横田基地の頭文字とばかり思っていました。横須賀基地の近くでも Y ナンバーが見られるらしく、ああやっぱり頭文字なんだなと納得もしていましたが、あるとき青森や沖縄でも Y ナンバーだと聞かされ、頭文字説はもろくも崩れ去りました。じゃあいったいどういう意味かとなって、そりゃあヤンキーの Y だろうと誰かが言うと、酒の席だったので一同大笑い、けっきょくそのまま終わって真相追求はならなかったのでありました。いまはインターネットで調べればすぐ分かります。Wikipedia によれば次のようになっているそうであります。
 E・H・K・M→(非課税・米軍所有業務用外)
 T→(課税、一時輸入)(本国から持ち込んできた軍人私有車)
 Y→(課税、軍人私有)
 つまり Y ナンバーの車は米軍人あるいは軍属が日本で購入し、個人的に運転する車ということになります。Y だけでなくほかのアルファベットもあるんですね、見かけたことはないけど。
 しかしこうして調べてみると、わたくしがこれまで無知だった問題も見えてきます。ひとつは税金で、わが国の普通の車のように課せられるものの、その額が20%とされていることです。つまりたとえば普通小型乗用車39,500円の年額のところ、7,500円しか支払ってもらっていないということになります。こんなところにもわが国が負担している隠された駐留費用があるのですね。ちなみに米軍基地が集中している沖縄県ではこのために年間7億8000万円もの税収減(税率100%に比して)があるそうです。これから守屋問題に端を発した防衛費の問題は、事務次官の収賄だけに終わらず、さらに大きくなっていくことと思われますが、防衛施設庁がらみの隠された問題にも国会でどんどんメスを入れていってもらいたいものであります。

 さて、こんなこともあって20年ほど前の出来事を思い出しました。横田基地からほど近いところに住んでいた友人宅を訪ねてお茶を飲みながら話に花を咲かせていたところ、外で大きな衝突音が起きました。急いで家から飛び出してみると、一台の車が家の前の路上に停めていたわたくしの車の後部に衝突し、まさに逃走を図ろうとしているところでありました。逃げようとしている車はまさに Y ナンバー。車の前に出て制止すると、運転席からドアを開けて出てきたのはまだ20代前半とおぼしき黒人青年でした。
 事の顛末はまた次回に。
by fuefukin | 2007-11-30 13:25

日常の延長に旅があるなら、旅の延長は日常にある。ゆえに今日という日は常に旅の第一歩である。書籍編集者@福生が贈る国内外の旅と日常、世界の音楽と楽器のあれやこれや。


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