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姫鱒

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 先月下旬にカヤックを漕ぎに訪れた山上湖では、紅鮭の陸封型である姫鱒がおよそ100年前に十和田湖から移植され、主として釣りのための遊漁魚として棲息している。これは地元漁業組合が漁業事業として孵化放流を永年にわたって続けてきたことによるもので、秋になると、流入河川の河口で産卵のために遡上する親魚を捕獲する地引網が季節を伝える風物詩として毎年紹介される。
 明治の古くから外人避暑客でにぎわったのでこうしたいわば洋風のやり方が伝わってきたのかどうか、湖畔にある一軒のレストランで、姫鱒と本鱒の採卵後の親魚を薫製にしていて、毎年訪れるたびにわけてもらっている。カヤッキングのあとに寄って今年もわけてもらったのが上の写真の姫鱒の薫製。年によって塩味が違ったり、燻蒸の仕上がりが変わったりで味わいは一定していないが、香りの強いウイスキーによくあう肴だ。
 毎年9月の声を聞いてしばらくすると、湧水の流入河川には婚姻色に身を染めた姫鱒や、やや遅れて本鱒が変わらずに遡上してくる。水中コンデジで撮ったのが下の2枚。姫鱒と本鱒。
 都会の乱雑に散らかった仕事机に向かって深夜、薫製の身を指でちぎってウイスキーのオンザロックで喉に流し込めば、梅花藻の咲く清冽な水の流れが脳裏によみがえってくる。
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by fuefukin | 2007-11-22 00:20

日常の延長に旅があるなら、旅の延長は日常にある。ゆえに今日という日は常に旅の第一歩である。書籍編集者@福生が贈る国内外の旅と日常、世界の音楽と楽器のあれやこれや。


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