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ムラサキシキブ

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 花は別にして、自然界の中で紫色ってそんなに多くはありませんね。ナスの葉っぱや実はすぐ思い浮かべることができますが、これは野菜ということもあってどちらかといえば人工色のような感じがします。熟したアケビの実の紫色は、こちらはじつに天然自然の色。写真のムラサキシキブの紫色の実も、深い色に味わいがありますね。でもこれらの色を布に定着させることはできないようです。
 紫色は、西洋ではローマの昔からムラサキ貝という地中海に棲息する巻貝からとれる貝紫という染料で、日本では万葉のころからムラサキという多年草の根からとれる紫根が長く使われてきたようです。ところがこの100年ほどのあいだに、化学的に合成された染料にすっかり取って代わられ、かつて武蔵野に多数自生していたムラサキはウイルスに弱いこともあって激減、いまや絶滅危惧種に指定される希少種となってしまいました。
 ムラサキシキブは山野に自生するもので、じつは写真はコムラサキ。小型で実付きがいいので庭木に好まれています。お隣の庭で撮影させてもらいました。一般的には両者あわせてムラサキシキブと総称されているようであります。
 ところで人間のほうの紫式部は、秋の季節のいいところはやはり夕暮れだと言っています。昔の京都の話でありますが、現代のわたくしたちにも確実にこの感性は引き継がれているようでありまして、ときたま見事な夕焼けにねぐらに帰る鳥が一羽、二羽飛んでいったりするのを見ると、なんだかしみじみとしたもののあわれを感じさせてくれますね。
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by fuefukin | 2007-10-12 10:58 | 花の写真

日常の延長に旅があるなら、旅の延長は日常にある。ゆえに今日という日は常に旅の第一歩である。書籍編集者@福生が贈る国内外の旅と日常、世界の音楽と楽器のあれやこれや。


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