雨に咲く花
2007年 09月 30日
きのうは自宅から厚木まで、オークションで落札した「超仕上かんな盤」という大工さんが使う電動工具を引き取りに出かけ、その足で山の小屋にやってきました。勝沼あたりのぶどう畑のつらなりは、色づきはじめた葉が品種ごとにそれぞれに異なった色具合を見せて秋の装いを始め、まるで丘の起伏にあわせて敷かれた近似色パッチワークの絨毯のようです。もうすこし季節がすすむと色が濃くなって、もっと目に鮮やかな風景を見せてくれるでしょう。
写真は田んぼの縁に咲いていた曼珠沙華。花弁が放射状にリボンのように絡まって雌しべ雄しべも長く出ているので雨滴がきれいですね。お彼岸のころから咲くので彼岸花という名前のほうが正式な名称のようですが、わたくしは天上の花に由来する曼珠沙華という名前のほうが好きであります。
むかしから墓地に植えられることも多く、死人花、地獄花、幽霊花、剃刀花、狐花などの不吉な異名が残っています。鱗茎にアルカロイドという毒素を多く持つため、土葬が一般的であったほんの数十年前まで、死体をネズミやモグラなどに荒らされないように配慮されたもののようであります。火葬にかわってしまった現在では、意味がなくなってしまいましたが、墓地と曼珠沙華という組み合わせはわたくしのなかにもなにやら妖しいイメージで深く残っています。
もっとも仏教に縁のない西洋では、学名にギリシア神話の海の女神リコリスの名前が使われ、園芸品種もさかんに作られているようであります。
by fuefukin
| 2007-09-30 11:31
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