バルカンへの旅 3. Vienna の見事なバスト

 引き続きウィーンの自然史博物館の話題を。
 展示室をいくつもいくつも回るうち、先史時代の部屋にたどり着きました。そのなかでも特別に小さな部屋になって、照明も特別になっている展示があります。右手の壁のなかほどのスイッチに触れると、なにやら象徴的な無音階の効果音が流れてきます。ガラスケースのなかで、照明の色が自動的に変わるようになっていて、ちょっと神秘的に飾られているのがこれです。
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 どうです、この見事なバスト。どんと張った腹部というか腰部。はち切れんばかりの太もも。その付け根には縦に筋がしっかり刻まれていますね。まさに多産豊穣を象徴するかのような石刻の女神像。およそ2万5000年ほど前の旧石器時代の遺物だそうであります。
 オーストリアのドナウ河畔の発見された場所の村の名前をとって、ヴィレンドルフのヴィーナス(Venus von Willendorf)と呼ばれているそうです。わが国にも似たものがありますね。こちらは縄文のヴィーナスと呼ばれる信州の茅野で掘り出された土偶で、縄文中期のものといいますから4500年ほど前のもの。ほかにも似たような土偶が見つかっているようですが、バストのサイズだけみても彼我のあいだには年代の差以上のものがあるようですな。
 ちなみに国際肥満会議(ICO=International Congress on Obesity)というれっきとした医学研究者の学会があって、肥満の臨床医学で業績を上げた医師・研究者に授与される「Willendorf Award」という賞があるそうであります。今年度の受賞者は日本人。大阪大学の名誉教授の方だそうでありまして、今年9月に開かれた会議で授賞式が行われたとのことであります。
by fuefukin | 2006-10-17 23:36 | バルカンへの旅(2) | Comments(0)

日常の延長に旅があるなら、旅の延長は日常にある。ゆえに今日という日は常に旅の第一歩である。書籍編集者@福生が贈る国内外の旅と日常、世界の音楽と楽器のあれやこれや。


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