バルカンへの旅 3. Vienna の見事なバスト
2006年 10月 17日
展示室をいくつもいくつも回るうち、先史時代の部屋にたどり着きました。そのなかでも特別に小さな部屋になって、照明も特別になっている展示があります。右手の壁のなかほどのスイッチに触れると、なにやら象徴的な無音階の効果音が流れてきます。ガラスケースのなかで、照明の色が自動的に変わるようになっていて、ちょっと神秘的に飾られているのがこれです。
オーストリアのドナウ河畔の発見された場所の村の名前をとって、ヴィレンドルフのヴィーナス(Venus von Willendorf)と呼ばれているそうです。わが国にも似たものがありますね。こちらは縄文のヴィーナスと呼ばれる信州の茅野で掘り出された土偶で、縄文中期のものといいますから4500年ほど前のもの。ほかにも似たような土偶が見つかっているようですが、バストのサイズだけみても彼我のあいだには年代の差以上のものがあるようですな。
ちなみに国際肥満会議(ICO=International Congress on Obesity)というれっきとした医学研究者の学会があって、肥満の臨床医学で業績を上げた医師・研究者に授与される「Willendorf Award」という賞があるそうであります。今年度の受賞者は日本人。大阪大学の名誉教授の方だそうでありまして、今年9月に開かれた会議で授賞式が行われたとのことであります。