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2 オノン河畔へ

 まだ明るい夕刻7時過ぎ、成田からのOM502便は今年からチンギス・ハーン国際空港と名称が変わったウランバートルの空港にほぼ定刻に到着した。荷物を抱えて税関を出ると、昨年も仲間大勢でずいぶん世話になったツォクトさんとテント泊の食事の支度を頼んだチュルガンさんが、満面の笑顔で出迎えてくれた。
 ドライバーのムコさんとコムロさんとも挨拶を交わし、さっそく2台のランドクルーザーに荷物を積み込み、ウランバートル市内で食事と両替を済ませると、東へ向かって出発だ。目的地のオノン河畔までおよそ400キロ。日本で400キロといえば、高速道路を考えればなんでもない距離で、休憩なしでも突っ走れるくらいの時間だが、モンゴルでは事情は違う。舗装さえ完全でない幹線を外れればわたくしたちの考える道路というものはなくなる。通行量の多いところにははっきりした轍、中くらいのところにはそれなりの轍、それ以外のところにはうすい轍。まだ萌え始めてそんなに時間のたっていないうすい緑の草原に、いくつかの茶色の筋が伸びていく。
 到着したときの小雨模様は、ウランバートルから80キロほど走ってゲルのモーテルに一泊し、翌朝朝食もそこそこに出発後しばらくして舗装道路を離れて草原の道に入ってからも、西からわたくしたちを追いかけるように降ったり止んだりして続いている。
 水や食料はあらかじめ首都で調達してもらって車に積み込んである。昼食をとった途中の村のレストランで馬を解体したばかりだという情報を得たツォクトとチュルガンは、馬肉を調達しに出かけ、尻の部分から片腿24キロ分を仕入れて帰ってきた。
 午後遅く、オノン河畔のゲルキャンプに到着。風が強く、ゲルの天井の煙抜きの布をパタパタ鳴らしている。雲の流れも早く、時折ポツリポツリと冷たい雨粒がほほをたたく。それでも早い夕食を済ませると、さっそく目の前のオノンの流れに竿を出す。ドウとした太い複雑な流れに、さてどういう釣り方がいいのかなかなか見当もつかないのが本音だが、同行4人、黙々とルアーを投げる、引く、しゃくる、スピニングのレバーをあげてまた投げる、引く、しゃくる、ついでに鼻水をしゃくって、また投げる。そのうちに長い日も傾いてきて、もう22時近く。ゲルへ引き上げて翌日の予定を地元の狩猟フィッシング案内人アムガと打ち合わせ、短い夜も更けていった。
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2006年6月11日、モンゴル、オノン河畔、折しもわたくしの誕生日の満月。

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河畔の柳や樺の新緑もまぶしいオノン河は大河アムール(黒龍江)の源流のひとつである。モンゴルやシベリアや興安嶺の水を集めて間宮海峡に注ぐ。
by fuefukin | 2006-06-22 18:41 | モンゴル紀行(2)

日常の延長に旅があるなら、旅の延長は日常にある。ゆえに今日という日は常に旅の第一歩である。書籍編集者@福生が贈る国内外の旅と日常、世界の音楽と楽器のあれやこれや。


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