後ろ姿
2006年 04月 20日
もう十数年前のこと。外房の漁村へ取材に行った折のことです。
イナダ釣りの船に乗せてもらい、カッタクリという釣り方でイナダを狙いました。イナダはブリの若魚ですね。カッタクリというのは、道糸をもった腕を引っ張るように振って疑似餌を操作して魚を食い付かせる釣法であります。ルアーを操作するするのにロッドの代わりに腕を使うといったら分かりやすいでしょうか。
それはさておき、船を降りてから漁村の風景を撮り歩いていたところ、ちょうどうまい具合にいい場所がありました。古い小屋があってひなびた漁村の感じがうまく出ている場所でした。
同行していたカメラマンと、「こんなところにカゴでも背負ったばあさんでも歩いていたらいい絵になるなあ」なんて冗談まじりに話していると、なんと、まさにぴたり、腰のまがったおばあさんがカゴを背負って道のわきを歩いて来るではありませんか。
あまりにぴったりとはまり過ぎた写真だったので、結局カメラマンが撮ったその写真を誌面に使うことはありませんでした。
おばあさんが通り過ぎたあと、何枚かわたくしのカメラに収めさせてもらいました。そうして十数年、もうこのおばあさんももういまはこの世にいないでしょうが、わたくしの家のポジフィルムの中でカゴを背負い続けています。カゴを背中からおろしてあげたいのですが、こればかりは致し方ありません。
イナダ釣りの船に乗せてもらい、カッタクリという釣り方でイナダを狙いました。イナダはブリの若魚ですね。カッタクリというのは、道糸をもった腕を引っ張るように振って疑似餌を操作して魚を食い付かせる釣法であります。ルアーを操作するするのにロッドの代わりに腕を使うといったら分かりやすいでしょうか。
それはさておき、船を降りてから漁村の風景を撮り歩いていたところ、ちょうどうまい具合にいい場所がありました。古い小屋があってひなびた漁村の感じがうまく出ている場所でした。
同行していたカメラマンと、「こんなところにカゴでも背負ったばあさんでも歩いていたらいい絵になるなあ」なんて冗談まじりに話していると、なんと、まさにぴたり、腰のまがったおばあさんがカゴを背負って道のわきを歩いて来るではありませんか。
あまりにぴったりとはまり過ぎた写真だったので、結局カメラマンが撮ったその写真を誌面に使うことはありませんでした。
おばあさんが通り過ぎたあと、何枚かわたくしのカメラに収めさせてもらいました。そうして十数年、もうこのおばあさんももういまはこの世にいないでしょうが、わたくしの家のポジフィルムの中でカゴを背負い続けています。カゴを背中からおろしてあげたいのですが、こればかりは致し方ありません。
by fuefukin
| 2006-04-20 11:19
| なにげない風景