豊年満作
2006年 02月 23日
まだまだ冬ざれの雑木林を歩く。
突然カラのたぐいの小鳥が啼いて、丸裸のコナラの枝の間を素早く飛んでいって、十メートルほど先でさらにせわしなく啼きたてる。闖入者に抗議でもしているかのように。
ぽっかりと空いたヒノキの林の縁に、南中をややすぎた傾いた日が射し込んでいる。そこだけ明るい鮮やかな黄色が浮かんでいるのは、ああそうだ、あれは春を告げるマンサクだ。
早春に咲く木の花の多くがそうであるように、マンサクも葉よりも先に花が咲く。ちりちりの小さな毛糸くずのような花びらが寒暖に応じて伸び縮むらしい。満開になると枝が隠れてしまうほどに咲き競うので、豊作を願って里の人たちはむかしから花のつき具合でその年の作柄を占ってきた。
長い冬を越えて春が来た。
雑木林にいちばんに咲く花だ。
その花に吉凶を託す杣人のけなげさ。
人間はせつないねえ。
せつなくて、偉いねえ。
突然カラのたぐいの小鳥が啼いて、丸裸のコナラの枝の間を素早く飛んでいって、十メートルほど先でさらにせわしなく啼きたてる。闖入者に抗議でもしているかのように。
ぽっかりと空いたヒノキの林の縁に、南中をややすぎた傾いた日が射し込んでいる。そこだけ明るい鮮やかな黄色が浮かんでいるのは、ああそうだ、あれは春を告げるマンサクだ。
早春に咲く木の花の多くがそうであるように、マンサクも葉よりも先に花が咲く。ちりちりの小さな毛糸くずのような花びらが寒暖に応じて伸び縮むらしい。満開になると枝が隠れてしまうほどに咲き競うので、豊作を願って里の人たちはむかしから花のつき具合でその年の作柄を占ってきた。
長い冬を越えて春が来た。
雑木林にいちばんに咲く花だ。
その花に吉凶を託す杣人のけなげさ。
人間はせつないねえ。
せつなくて、偉いねえ。
by fuefukin
| 2006-02-23 12:16
| 花の写真