60年前の師走
2005年 12月 02日
このところ調べものがあって都心の図書館に何度か通った。
ちょうど12月のはじめの日、国会図書館で資料を検索しコピーを頼んだり、昔の新聞や雑誌のマイクロフィルムをまわして目的の記事を探したりして、かなりの時間を費やした。
たまたま戦争の終わった年、昭和20年の朝日新聞の縮刷版を調べている時、今日(12月1日)と同じ日にはどんなことがあったのだろうかと思って、ちょっとめくってみた。
戦争が終わってまだ3カ月半。12月1日付けの朝日新聞は表裏たったの2ページである。
一面のトップには「戦争責任追求決議案 本会議上程纏まらず」とあって第89臨時議会の三日目の様子を伝えている。
またこの日、陸軍省・海軍省廃止。これにともなって杉山陸相は辞表を提出、米内陸相は自動的に任務を離れる、とある。この二人の異動の差がなんなのか、興味のあるところだ。
またマッカーサー指令部によって、新紙幣発行については許可制にするとの命令が大蔵省に出されている。
二面には、「石炭なくなれば名医も台なし 恐怖の冬」と、医薬品の不足を伝えている。
さらに「小包も汽車次第」と、旅客列車5割削減が実施されれば小包は取り扱い停止になるという記事もあって、終戦直後の混乱が分かる。
いちばん面白かったのはラジオ欄だった。テレビ放送はもちろんなかったし、ラジオにしても第一放送、第二放送のふたつだけ。一段のベタで40行ほどである。
ちょっと抜き出してきたので紹介してみよう。
6:30 基礎英語講座
10:00 鬼のお耳・佐藤吉五郎
0:15 パイプオルガン独奏・小暮正雄—日本橋三越より—
2:00 戦災者慰問演芸会—新宿西口広場より—
俗曲・〆香 軽音楽・桜井潔楽団
4:00 進駐軍の横顔を描いて(2)・小川武
手風琴独奏・小沢直輿志
5:30 連続物語「トム・ソーヤの冒険」(1)・巌金四郎
7:30 フルートとピアノ独奏 吉田雅男 山田和男
8:00 座談会「議会における総理大臣の施政方針演説をめぐって」
室伏高信 鈴木東民 河相達夫 安藤正純
9:30 報道・音楽
10:00 気象通報・番組予告・音楽
ざっとこんなところだ。
英語講座がすでに始まっていたことはちょっと驚きだ。
現在も日本橋三越に残るパイプオルガンの生中継をしていた。
日本のフルート界の大御所だった吉田雅男がすでにこのときラジオで演奏していた。
そんなこんなで疲れた頭を振り振り国会図書館を出ると、目の前に国会議事堂がライトアップされてそびえ立っていた。
そしてきょうは有栖川宮記念公園の中にある都立中央図書館へ。
公園の中には都心とは思えない景色も見られます。
ちょうど12月のはじめの日、国会図書館で資料を検索しコピーを頼んだり、昔の新聞や雑誌のマイクロフィルムをまわして目的の記事を探したりして、かなりの時間を費やした。
たまたま戦争の終わった年、昭和20年の朝日新聞の縮刷版を調べている時、今日(12月1日)と同じ日にはどんなことがあったのだろうかと思って、ちょっとめくってみた。
戦争が終わってまだ3カ月半。12月1日付けの朝日新聞は表裏たったの2ページである。
一面のトップには「戦争責任追求決議案 本会議上程纏まらず」とあって第89臨時議会の三日目の様子を伝えている。
またこの日、陸軍省・海軍省廃止。これにともなって杉山陸相は辞表を提出、米内陸相は自動的に任務を離れる、とある。この二人の異動の差がなんなのか、興味のあるところだ。
またマッカーサー指令部によって、新紙幣発行については許可制にするとの命令が大蔵省に出されている。
二面には、「石炭なくなれば名医も台なし 恐怖の冬」と、医薬品の不足を伝えている。
さらに「小包も汽車次第」と、旅客列車5割削減が実施されれば小包は取り扱い停止になるという記事もあって、終戦直後の混乱が分かる。
いちばん面白かったのはラジオ欄だった。テレビ放送はもちろんなかったし、ラジオにしても第一放送、第二放送のふたつだけ。一段のベタで40行ほどである。
ちょっと抜き出してきたので紹介してみよう。
6:30 基礎英語講座
10:00 鬼のお耳・佐藤吉五郎
0:15 パイプオルガン独奏・小暮正雄—日本橋三越より—
2:00 戦災者慰問演芸会—新宿西口広場より—
俗曲・〆香 軽音楽・桜井潔楽団
4:00 進駐軍の横顔を描いて(2)・小川武
手風琴独奏・小沢直輿志
5:30 連続物語「トム・ソーヤの冒険」(1)・巌金四郎
7:30 フルートとピアノ独奏 吉田雅男 山田和男
8:00 座談会「議会における総理大臣の施政方針演説をめぐって」
室伏高信 鈴木東民 河相達夫 安藤正純
9:30 報道・音楽
10:00 気象通報・番組予告・音楽
ざっとこんなところだ。
英語講座がすでに始まっていたことはちょっと驚きだ。
現在も日本橋三越に残るパイプオルガンの生中継をしていた。
日本のフルート界の大御所だった吉田雅男がすでにこのときラジオで演奏していた。
そんなこんなで疲れた頭を振り振り国会図書館を出ると、目の前に国会議事堂がライトアップされてそびえ立っていた。
そしてきょうは有栖川宮記念公園の中にある都立中央図書館へ。
公園の中には都心とは思えない景色も見られます。
by fuefukin
| 2005-12-02 20:04
| なにげない風景