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壬辰の年

 今年の干支は辰で、十干十二支でいうと壬辰(みずのえたつ)。
 水と辰(龍)の年ということになりますね。
 昨年は水に悩まされた年でした。
 津波、洪水、そして汚染水。
 今年は水と親しく交われる年にしたいですね。
 というわけで近所の「龍」に挨拶してきました。
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 多摩川支流秋川が形成する河岸段丘の北岸の崖際に鎮座する白瀧神社、すぐ脇の崖から流れ出す湧水のほとりにこの龍が水源を守るように立っている。崖といってもすぐ上には五日市街道に合流する4車線幅の広い道路が横切り、周辺はなかば住宅地になっている現在、そうした環境ながら流水を保っているのはかなり貴重な水脈といえるだろう。
 龍というのはご承知のとおり西洋のドラゴンと同様、空想上の動物であって、西洋では聖ゲオルギウスに退治される存在として邪悪で凶悪なものの象徴とされているが、中国では皇帝のシンボルとして、わが国では古来からあった蛇神信仰と融合して水の神として各地で民間信仰の対象となった。山間地の深い滝壺にはたいてい龍が棲んでいて、畏怖と信仰がないまぜになった民話もたくさん伝えられている。
 さてこの石彫の龍であるが、さほど古いものではなさそうだが、おそらく剣の姿に変身した九十五種の外道を、倶利迦羅龍に変化した不動明王が呑みこもうとする仏教説話をあらわしたものだろう。水の守り神としての龍と仏教とのこうした混淆がじつに日本的であるといえようか。
壬辰の年_d0054076_1552836.jpg

by fuefukin | 2012-01-09 15:53

日常の延長に旅があるなら、旅の延長は日常にある。ゆえに今日という日は常に旅の第一歩である。書籍編集者@福生が贈る国内外の旅と日常、世界の音楽と楽器のあれやこれや。


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