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送電線の鉄塔、現認! そして山女

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 ずいぶん前から気になっていながら、なかなか果たせなかったことのひとつをようやく半分果たせた。
 昨日、好天に誘われて出かけ、確認してきたなんの変哲もない山間に立つ送電線の鉄塔。どこが気になっていたかというと、この鉄塔の立つ場所だ。次の写真の赤丸で囲んだ鉄塔が、まさしくこの鉄塔であることを昨日、現地で確認してきたからだ。
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 わが家のベランダから富士山を撮影するさいに、必ず画面に入り込んでくる送電線が、新秦野変電所から大山の西、宮ケ瀬湖、津久井湖、そして都県境の稜線を越えて八王子上川町の新多摩変電所に至る、東京電力の新多摩線であるのは地図から分かっていた。ただ富士山の裾に横たわる稜線上のピークのどれが堂所山なのか同定できかねている。さらに右手方向には陣場山があり、あいだには明王峠もある。それらもあわせて確認するために堂所山の山頂にも立ってみようというのが昨日出かけた目的だった。
 甲州街道からだいたいの見当をつけて林道に入っていく。林業用の林道は途中でゲートがあって一般車は入れない。まっすぐこの林道を詰めて行けば、北高尾縦走路の一角である関場峠と出合い、堂所山まではすぐのはずだった。しかし途中で景信山との間の奥高尾縦走路に直接出ようと西に登る支枝の林道に入ったのがいけなかった。おまけに林道は途中で途切れた。登山者の声もかすかに聞こえるから、高度計からしても上の縦走路までわずかのはずだったが、沢沿いの藪を漕いで行くのはためらわれた。しかたなく日当たりのいい林道のコーナーで遅い昼食。出発も遅かったので、上述のように送電線の鉄塔だけ確認して、ここから帰途につくことにしたが、時間がかかったのにはもうひとつわけがあった。
 林道はほぼ沢沿いに走っているので、沢の要所要所で立ち止まっては淵をのぞいていたからだ。水量はたいしたことはないが、それでもいくらか深みのある流れでは小さいながらも山女の影が確認できる。もう禁漁期だから案外にのんびりして、日の当たっている淵尻でゆったり泳いでいるのもいる。それでも神経質な渓魚だから、不用意に頭をのぞかせるとさっと落ち込みに走る。そんなことのくり返しで、山頂に向かう時間が遅れてしまったのだった。
 他の場所よりだいぶ深みのある場所があった。落ち葉が淵の中央から下流寄りに浮いて溜まり、その下がうまい具合に陰になっている。落ち込みから3畳ぶんくらいがプールになっていて、その流れの端に落ち葉の陰があるという魚にとっては絶好の採餌ポジションとなる。その落ち葉の陰にゆらめく影をわたくしは見落とさなかったな。婚姻色に身を染めた、この沢の規模としてはかなり大型の、おそらく♀の山女がゆったりと泳いでいるのだ。これから産卵かどうか、それとも終えたのかどうかは定かではないが、あるいはペアの♂の山女が現れやしまいかと、かなり長い時間をこの山女の観察に費やしたのだった。
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by fuefukin | 2011-11-27 19:26 | 山旅

日常の延長に旅があるなら、旅の延長は日常にある。ゆえに今日という日は常に旅の第一歩である。書籍編集者@福生が贈る国内外の旅と日常、世界の音楽と楽器のあれやこれや。


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