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桃の節句

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桃の節句_d0054076_9534886.jpg ほんらいは和暦(太陰太陽暦)の3月の節句(上巳)である3月3日に行われていたが、明治初年代の新暦導入にしたがって現在の3月3日に祝われるのが一般的となったため、実際の季節とはひと月ほどずれてしまっている。そういった暦の仕組みを理解していなかった子どものころ、花も実もないのに桃の節句と言うのはおかしなことだと不思議に感じていた記憶がある。それから幾十年も経っているのに、いまだにしっくりこないのは、理解していると思っている暦の仕組みさえ、ほんとうは分かっていない証拠かもしれないなあ。それでも春をこれくらい数え(馬齢を重ねるとも言うが)、人よりはいくらか自然の中に長く身を置いて観察したり撮影したりしてきたと思うので、花が咲く順番くらいは分かってきたぞ。まあそれくらいのもので、自然のほんとうの姿はいまだにとらえきれていないと自覚もしている。
 というわけで右の写真のように桃の花が咲くのは関東地方では4月に入ってからで、花数が少なく見えるのは果樹として栽培されているので、摘花といって実をつけさせる花を残してあとは摘んで処分してしまうため。実が成ったあとも、こんどは摘果といって最終的に出荷される実だけを残すために、青梅のような幼果のときに摘まれてしまう。わたくしたちがソフトボールよりも大きな水蜜桃にかぶりつくことができるのも、こうした目に見えないじつに膨大な手作業ゆえであるのを記憶しておきたい。
 そんな次第で、満開の桃の花を見たいと思ったならば、開花のあと、果樹農家がこの作業をおこなう前のほんの数日がチャンスということになる。もちろん果樹でなければこの限りでないのは言うまでもない。あとひと月あまりあと、ご覧になりたい方があれば案内いたしますよ。
by fuefukin | 2011-03-02 10:48 | 時事

日常の延長に旅があるなら、旅の延長は日常にある。ゆえに今日という日は常に旅の第一歩である。書籍編集者@福生が贈る国内外の旅と日常、世界の音楽と楽器のあれやこれや。


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