十日夜(とおかんや)
2010年 11月 15日
稲の刈り取りが終わって田の神が山に帰る日とされておりますね。
本年の稲の収穫を感謝し、来るべき年の豊穣を祈って、田の神に餅やぼた餅が献じられ、藁を束ねて藁づとや藁鉄砲を作り、地面を叩きながら唱えごとをするなどの行事が行われてきましたが、現在でもはたして続いているかどうか。わたくしの子供時代でも、関東平野のほぼ真ん中の穀倉地帯であったにもかかわらず、ほとんど記憶がありません。それでも年寄りが健在であった農家ではおそらくやっていたのだろうと推測されます。というのは、おぼろな記憶にもかかわらず、「とおかんや」という優しい響きの言葉は長く半世紀以上にもわたってわたくしの脳髄に刻み込まれているからなのですね。
この記憶がいつ始まったかはもちろん定かではありませんが、なにかのきっかけでひょいと「とおかんや」というこの言葉が思い浮かぶのですね。理由もなしにふと思い出すといった些細な言葉ですが、頻度は年々増えているような気もいたします。
by fuefukin
| 2010-11-15 11:12
| 時事