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花の兄

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 細かい雪がちらついている午前です。
 家の前の小さな公園に1本だけあるカワヅザクラ(河津桜)のつぼみが10輪ほど開いたのを見たのは昨朝でしたが、昨日の雨、そして今日の雪模様に、ちょっとあわてて咲いたのを悔しがるように凍えています。
 西多摩あたりでは紅梅がやや早めに、つづいて白梅が咲き始めてもう数週間、枯れ色の風景の中で咲いている木の場所だけがぽっと春色に染まって見えるようです。梅は他の花に先立って咲くところから「花の兄」とも呼ばれているそうです。その由来はこんな具合に謡曲の「難波」に詠まれているところから。

 ワキ 如何にこれなる老人に尋ぬべき事の候。
 シテ 此方の事にて候ふか何事にて候ふぞ。
 ワキ 不思議やな諸木こそ多き中に、是なる梅の木蔭を立ち去らずして、蔭を清め賞翫を給ふ事不審なり、もし此梅は名木にて候ふか。
 シテ 御姿を見奉れば、都の人にて御座候ふが、此難波の浦に於て、色殊なる梅花を御覧じて、名木かとのお尋は御心なきやうにこそ候へ。
 ツレ それ大方の春の花、木々の盛は多けれども、花の中にも始なれば、梅花を花の兄ともいへり。

 ほかにも好文木(こうぶんぼく)、春告草(はるつげぐさ)、木の花(このはな)、初名草(はつなぐさ)、香散見草(かざみぐさ)、風待草(かぜまちぐさ)、匂草(においぐさ)などの呼称もあって、いかにわたくしたち日本人の生活に密着してきた花木であったかを示すところでありますね。
by fuefukin | 2010-02-12 10:48 | 花の写真

日常の延長に旅があるなら、旅の延長は日常にある。ゆえに今日という日は常に旅の第一歩である。書籍編集者@福生が贈る国内外の旅と日常、世界の音楽と楽器のあれやこれや。


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