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5500LDKの高層マンション?

 山の小屋の近所の家の軒下に何かハチの巣らしきものがぶら下がっているという報告を受け、にわかに野次馬根性がむくむくとわいて出たわたくしたちは押っ取り刀で見物に。当の家は別荘として使われていて普段人の出入りはほとんどなく、わたくしたちも年に一度か二度人を見かけるだけで話を交わすこともない。そんな静かな環境がハチにとっては好都合だったのか、道路から10メートルもない真正面に見える軒下にこんな巨大な巣が出現しておりました。
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 樋の大きさから推測するに、左右おおよそ60センチ、天地70センチはあろうかという大きな巣ですね。もっと軒下近くに作ったものが自重で30センチほどずり落ちたか、という痕跡も見えます。3週間前には幾度も通った道で、同じ大きさであれば気づかなかったはずはありませんから、この3週間ほどの間にこの場所へ引っ越ししてここまで大きく育ったものと思われます。この引っ越しというのがスズメバチの生活史において重要な過程のひとつで、どこやらでひっそりと生活していた今年の女王蜂が来年の女王蜂を生み出すために大勢の働き蜂とともにこうしたコロニーを築き、最大数にして800ほどの新しい女王蜂がこうしたコロニーから巣立っていくらしいのでありますね。女王蜂以外は冬を迎え零下に近い温度になるとすべて死んでしまうらしいので、いま撤去(退治)をしておかないと来年には数百の新しい巣ができる勘定になるのですね。人間とこのキイロスズメバチの生活圏が重なっているので、かなりの頻度で接触事故つまり攻撃されて刺されるという社会的事件が起こるわけでありますが、不用意に近づいたり接触したりしなければ無闇に襲われることなどないのは、他の野生動物と同様であります。平和的共存の道はないでしょうかねえ。
 このキイロスズメバチ、富山市科学博物館によればおおよそ次のように推計されております。
 蜂の大きさ:女王蜂25〜30ミリ、 働き蜂18〜25ミリ、雄蜂26〜28ミリ
 巣の大きさ:直径40〜80センチ
 巣の部屋の数:4000〜7000
 働き蜂の数:400〜1400
 新女王蜂の羽化数:200〜800
 これからすると今回の巣はかなり最大に近いものだろうと思われますが、中間をとって5500LDKとしておきました。5500も寝室がある宮殿など中東の大金持ちも持っていないぞ。
 上の写真の中央部をピクセル等倍でご覧ください。たぶん左寄りの穴、ここが出入り口、つまり玄関でしょう。数匹のドアマンというか警備員が常駐して警戒を怠らないようですが、ここにも出入りするハチ以外に見えますね。この玄関の上下や右下に見える穴は空気穴、つまりエアコン、空調設備でありますね。表玄関を通れないやつはどの世界にもいますから、この空調穴を出入りするやつも多いでしょう。
 玄関を入ると縞模様の外皮に囲まれた巨大な空間に、下向きに巣穴が並んだ円盤状の層が、この巣でおそらく7、8層連続して浮かんでいるのではないかと思われます。そのそれぞれの部屋にはびっしりと
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こんなのが詰まっているのでしょうね。それにしても見事な建造物と言わねばなりません。
by fuefukin | 2009-09-23 10:54 | 田舎暮らし

日常の延長に旅があるなら、旅の延長は日常にある。ゆえに今日という日は常に旅の第一歩である。書籍編集者@福生が贈る国内外の旅と日常、世界の音楽と楽器のあれやこれや。


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