秋の花
2009年 09月 07日
見まく欲りわが待ち恋ひし秋萩は枝もしみみに花咲きにけり
標高1700メートルあまりの甲斐の国の山間にぽっかり抜けた乙女高原にも萩の花が咲きだしています。先週撮影したヤマハギですが、まもなく里にも下りてくるでしょう。
そういえば里でも先週あたりから風にキンモクセイの香りが混じるようになりましたね。例年よりもずいぶん早いように思われます。木の在処がにわかには分からないところがまたいいのですが、この香りが漂いはじめると本当に秋がやってきたと感じます。一本のキンモクセイの大木が、冷たい秋の長雨で花びらを落とし、緑の苔の上に枝が伸びた範囲いっぱい円形に、びっしりと橙黄色が広がる光景をやや俯瞰位置から撮影するイメージをずっと持っていて、作品の完成予想まで頭の中にできているのですが、なかなか思いどおりのシチュエーションに出会えません。どなたかそういう場所をご存知ありませんかねえ。
ついでですから万葉集からもう一首。
人皆は萩を秋と言ふよし我は尾花が末を秋とは言はむ
尾花(ススキ)はまだつんつん穂が伸びはじめたところで、なかには穂が開きはじめたのも見受けられますが、「尾花が末」にはまだまだであります。「風の音にぞおどろかれぬる」といったところでありましょうか。
by fuefukin
| 2009-09-07 10:39
| 花の写真