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フェアリー・リング

 英語で Fairy ring 、そのまま訳せば「妖精の輪」ということになりましょうか。
 日本語では輪菌もしくは菌環と呼ばれています。キノコの菌糸は条件が同じなら放射状に等速度で成長するので、同一円周上にまるで輪を描くようにキノコ本体、つまり子実体が出現することがあります。近所の公園の芝生で見かけたのがこれです。
フェアリー・リング_d0054076_1011025.jpg
フェアリー・リング_d0054076_10153012.jpg
 残念ながら乾燥気味で名称はわかりません。真ん中に大きく、完全な円ではありませんが、キノコのサークルがご覧になれるでしょう。その上に重なるように小さな半円、さらに奥にはもう少し小さな円環も見えます。
 自然の森や林の中でも同じ現象が起こっているのでしょうが、自然界で同一条件になることはなかなかむつかしく、かりになったとしても落ち葉や下草、枯れ枝などに邪魔されて、この写真のようにきれいな円環を見ることはなかなかできません。全面芝生という条件がこんな現象を見せてくれたのでしょうね。
 秋のはじめ、雑木林にまっさきに姿を見せてくれるキノコにサクラシメジというのがあります。ちょうどヤマブドウの液を薄く染めたようなワイン色の、たいへんきれいなキノコでありますが、若干苦みがあるものの、その苦みも含めておいしいキノコの一つです。このキノコは山里では珍しいものではなく、古くから

書きかけです。
つづく。

 出かける時間がせまって書きかけのままでした。続きを。

食に供されてきました。
フェアリー・リング_d0054076_073344.jpg
 これがサクラシメジ。見ての通り、アカキノコとかアカンボウ、アカモダシ、あるいはミネゴシなど、地方によって呼び方がいろいろあるのは、それだけポピュラーなキノコであるゆえんでしょう。
 どこだったかある地方では兵隊キノコという呼び方もされてきました。ミネゴシと同じように発生状態から名付けられたものでしょう。つまりこのキノコは列をなして発生するので、うまく時期に出会えれば、つぎからつぎへとたくさん収穫が期待できるのですね。その赤い頭のキノコをひとつずつ取っていくと尾根を越え、谷を渡り、気がついたら元の場所に戻っているという、それとは気づかない巨大なフェアリー・リングの可能性もあるのかもしれないのであります。
 霧につつまれた雪野原で、目に見える目標がないと、人間は右回りか左回りか、とにかくまっすぐには歩行できないもののようです。それで気づかないうちに大きな円を描いて歩くうちに、自らの足跡を他の者の足跡と勘違いをしたりして疲労困憊のうちに遭難に至ってしまう。これをリングワンデルンと言うそうですが、サクラシメジで遭難ということになると、これは妖精の仕業ということになるのでしょうか。それとも山の物の怪ということにしておきましょうか。

 あいだに3日も4日も入ると、考えていたこととは別に、話がうまく続けられなくなってしまいました。ご愛嬌ですね。
by fuefukin | 2008-07-04 10:21 | 森のキノコ

日常の延長に旅があるなら、旅の延長は日常にある。ゆえに今日という日は常に旅の第一歩である。書籍編集者@福生が贈る国内外の旅と日常、世界の音楽と楽器のあれやこれや。


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