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モンゴルのハクチョウとツル

 わが国には秋も深まるころになると、北の国からの使者、ハクチョウやカモ類が越冬のために各地に渡ってきますね。北のシベリアでは冬になると河川や湖は氷結して餌がとれなくなるので、凍らない水面を求めて3000キロあるいは4000キロの旅をしてくるのです。シベリアからはサナリンを経由してくるものと、カムチャツカから千島列島を経由してくるふたつの渡りのルートがあるそうです。なかにはバイカル湖あたりから飛来するものもあるとか。
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 このハクチョウの写真は昨年の6月、モンゴルはウランバートルの東方400キロほどのオノン川畔で撮影したものです。この川は下ってアムール川に合流し、間宮海峡に出る流れですから、いま北海道の大沼やクッチャロ湖、あるいはもっと南の伊豆沼あたりで羽を休めている二羽であるかもしれません。
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 次の2枚は一昨年の8月、やはりモンゴルの草原で撮影しました。ウランバートルから西へ、ハラホリンとの中間あたりだったでしょうか。もっと近づいて撮ろうとしたのですが、一定距離内に近づくとさっと飛んで移動してしまいます。なのでツルの種類がはっきりしませんが、撮影したわたくしとしてはこれはアネハヅルに違いないとにらんでいるのです。
 アネハヅルは日本に飛来するのはごくまれのようですが、ひろくユーラシア各地に生息するツルで、8000メートルのヒマラヤ越えをするツルとして有名ですね。迂回すればもっと楽なコースがあるのに、なぜ厳しい高高度の飛行をおこなうのか、いくつか説はあるようですが、まあそんなことはどうでもよろしい。夏はチベット高原やゴビの砂漠の周縁で生活し、ヒマラヤ越えをしてネパールやインドとの往復を毎年くり返すそのいさぎよさにただ素直に賛嘆するばかりであります。
by fuefukin | 2007-12-13 23:49

日常の延長に旅があるなら、旅の延長は日常にある。ゆえに今日という日は常に旅の第一歩である。書籍編集者@福生が贈る国内外の旅と日常、世界の音楽と楽器のあれやこれや。


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