北への旅 7、恵みの春
2007年 05月 25日
「氷」と「水」という文字は点がひとつあるないだけの違いですが、こうやってみると、隣り合った性質の物体をじつによく現していますね。文字を作ったひとに脱帽であります。
さて、この時期に道北を訪れるもうひとつの理由があります。わたくしにとってはこちらの理由のほうがより割合が高いかとも思われますが、それはずばりギョウジャニンニク! 首都圏でも春になるとホームセンターなどに苗が出回り始めていますが、つい最近まではそんなことはありませんでした。関東あたりでも山地のほうでは、数は少ないもののあちこちに自生地があったようですが、環境変化、乱獲などですっかり姿が見えなくなりました。その稀少価値に目をつけたひとたちが栽培を始め、ようやく軌道に乗って小売店にまで流通するようになったというのが昨今の現状でありましょう。
それにしてもカタクリなどと同じスプリング・エフェメラルでありますから、春一番にほかの草に先んじて生え、いち早く光を取り入れて地下茎に栄養を貯え、花をつけたあとはほかの草木に埋もれてしまいます。その春一番の生命のエネルギーを戴いてしまおうというのでありますから、自然からしてみたら人間というのは存在からして罪悪であるのかもしれません。
こうしてイトウを観察し、山の恵みをいただくための毎春の道北詣ではまだまだ続くでしょう。今回は、初めてフェリーを使った北への旅でした。自宅から新潟までおよそ350キロ、新潟から小樽までの航海19時間1200キロほど、小樽から道北までおよそ400キロ、すでに帰りのクッチャロ湖や小樽の様子、船上からの夕日などアップしてありますので、これにて4000キロ近くにおよんだ北への旅の顛末はおしまい。
by fuefukin
| 2007-05-25 10:30
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