モンゴルそば
2006年 12月 03日
かつて社会主義時代のモンゴルで、わが国との政府レベルでのそば栽培が試みられたこともあったそうですが、そのときはうまく収穫できないまま事業は終わってしまったとのことであります。民主化なって十数年、今年は民間レベルでのそば栽培が二十何年かぶりにウランバートル北方の農場で行われ、日本に運ばれてきた玄そばの一部ががわたくしの手元にやってきたというわけであります。
作付け面積はかなりの規模だったようでありますが、今年の天候不順はどうやら世界的であったようでありまして、もちろん栽培技術もあったでしょうが、かの地でも日照不足やらなにやらあって、思うような収穫はあげられなかったようであります。たしかに頂戴した玄そばはやや小粒で実の充実感もちょっと不足気味かなという感じでありましたが、いずれにせよモンゴルの大地で育ったそばであります、打って食べないわけにはいかないと、飯塚さんのご協力をあおいだ次第。信州川上村伝来のそば打ちを順を追ってちょっと紹介してみましょう。
そして出来上がりました。
まさに挽きたて、打ちたて、ゆでたての三拍子そろった、十割せいろそばであります。
粉の状態のときにもちょっとなめて確かめたのですが、香りはさほど強くはないものの、しっかりとしたそばの味が生きています。汁をつけずに噛んでみると、ほどほどの噛み応えのあとにじわっと香りが口中にひろがり、そのあとに間髪入れずにそばの味がぐいっとやってきます。なかなかのものでありました。