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フェンスの向こうのアメリカ

 米軍基地のある町に住みはじめてもう20年ほどになるが、この間、しっかりと金網フェンスで閉ざされた中には一度しか入ったことがなかった。昨日、約10年ぶりに二度目の探訪を果たした。
 年に一度、基地内を一般公開するフレンドシップディーという催しが行われていて、今年は先週末がこれにあたっていた。いつもは出かけていたり、なにか用事があって留守をしていたりで、こんな近くに住んでいるのに、なかなか訪れる機会がなかったが、今年はちょうど自宅にいられたので、久しぶりにチャンスをとらえて出かけてみることに。
 日曜の午後遅く、下車駅の青梅線牛浜駅はすごい人でごった返している。ふだんの数十倍の人が乗降しているようだ。五日市街道を16号国道に向かって行くと、突き当たった場所が第5ゲートで、福生駅からの正門ではなくここが一般公開の入場口になる。
 中で行われているのは、まあ言ってみれば高校や大学の文化祭、学園祭の類いで、アメリカ風のステーキやハンバーガー、飲み物の模擬店がずらりと並び、格納庫にはステージが特設されて空軍軍楽隊の演奏(前のときには自衛隊音楽隊の演奏もあった。今回もあったかどうか)や日本のグループの演奏も披露されたらしい。
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 滑走路には輸送機やジェット戦闘機がずらりと並べてあって、航空マニアたちの絶好の被写体になっていた。中に1機、日の丸をつけた自衛隊のジェット機もまるでまぎれこんだように停められてあった。在日米軍再編成のなかで、あまり知られていないようだが、この横田基地にも自衛隊が共同で駐屯しているらしい。もっとも半世紀以上の昔をたどれば、この横田基地は立川航空隊の飛行場であったわけだから、今の駐留のかたちのほうが不自然だとも言えるわけだが、さてここの戦後はいつになったら終わるのだろうか。
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 夜になるとフィナーレを告げる花火が打ち上げられる。この花火を目当てにやってくる人も大勢で、滑走路や横の芝生はたくさんの人で埋まっていた。
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 花火が始まる時間が20:30からだというので、そこまで待てないわたくしたちは早々に基地を出て、駅前の居酒屋で一杯やっているうちに、やがてドン、ドーン、ドドーンと打ち上げが始まった。自宅の窓からこれを撮影しようと急いで取って返すが、帰り着いて三脚を伸ばすひまもなくあっさりと終了してしまった。たしか何年か前、ちょうど自宅にいたおりには、ずいぶん長い時間、それも二回戦で次から次へと打ち上げられていた記憶があるのだが。
 我が国の緊縮予算で、大盤振る舞いだった思いやり予算が大幅に削減されたせいなのかどうか定かではない。
by fuefukin | 2006-08-21 23:41

日常の延長に旅があるなら、旅の延長は日常にある。ゆえに今日という日は常に旅の第一歩である。書籍編集者@福生が贈る国内外の旅と日常、世界の音楽と楽器のあれやこれや。


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