山の日 続きの続き
2011年 01月 12日
ついでだからもう一枚、倉庫から引っ張り出してご覧いただきましょう。
これも35ミリポジからのスキャン画像です。
紅葉を撮影するために上高地から涸沢に入ったのはいつの年だったか。時期的にはすでに遅く、ナナカマドの燃えるような紅葉は盛りを過ぎて、ダケカンバの葉はほとんど散っていた。前日、その年二度目か三度目かの小雪が舞い、3000メートルの稜線は白く輝いていた。初心者の連れがいたので奥穂高に上がるのはあきらめてパノラマコースを下ったような記憶があるが、おそらくこの下山の途中で撮影した一枚だ。白い幹と枝だけになったダケカンバに日が射して輝き、北穂から東に伸びる尾根の岩稜はわずかに雪がついてまだ薄闇が明けない。そんな対比を表現したくてシャッターを切った。
デジタル時代になって、シャッターボタンがじつに軽いというか一押しに重みがなくなったなあとわれながらつくずく思う。もっとワンカット、一枚に気迫を込めてボタンを押したいと自戒を込めて思う朝でした。
「山の日」の話はもういいですね。
by fuefukin
| 2011-01-12 10:44
| 山旅