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鉄剣銘文

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 先日二度目の訪問を果たして再見した埼玉行田の稲荷山古墳出土の国宝鉄剣。窒素ガスの充填された展示容器に厳重に収められている。展示する博物館の言うことには、写真撮影は受付で申し出て書類を書いて提出すればOK(腕章貸与)するが三脚使用は禁止、さらにストロボ使用や接写は禁止で、どれくらいを接写の範囲とするかと尋ねればガラスに密着させて撮影するのはダメでおよそ1メートルくらい離れれば、などとおっしゃる。三脚使用やストロボ使用はマナーの問題や他の見学者への迷惑などもあってもちろん理解できる。しかしガラスに密着させて撮影するのはダメとはいかに? そういう撮影方法をとらなければ、展示室内部のあちこちの蛍光灯照明が反射してうまく撮れないのは自明。ガラスが汚れるというのであれば、監視員が常駐しているのだから常に拭き取ればよろしい。
 そもそも国宝とは何ぞ。国の宝というのは、つまり国民の宝でありますね。国民の一人として、国宝はわたくしの宝でもあると所有権を主張してもいい根拠はあると思うわけでありますが、そこまでは大人気ないので言わない。しかしこの国宝鉄剣は絵巻物や絵画とは異なって金属でありますね。しかも劣化を防止するために厳重な展示がされているようであります。直接触れていじくり回すわけでもないのに、こんなにも禁止事項を設けるのはいかがなものか。さらに言えば、撮影した写真のホームページなどでの使用も禁じている。ブログというのもこれに準ずるであろうから、この点ですでにわたくしは前回閲覧したおりにも、違反行為を犯したことになるわけでありますね。もちろん承知の上でありましたが。
 諸外国と比較すれば、なんていう言い方はわたくしの好みではありませんが、かのルーヴルでも大英博物館でも撮影禁止なんていう規則はなかったような。撮影のためのチケットを別に買わなければならないというところはありましたが、運営その他費用のためもあって正直なところ見学客の金目当てというのが多いような気がします。
 さて日本を代表する国立博物館はどうかというと、「 撮影可能な展示室においても、撮影禁止マークのついている作品に関しては、所蔵者の意向により撮影ができません」とある。国宝であっても個人蔵のものなら仕方ないとも思うが、こういう問題、みなさんはどうお考えでしょう。
 上の細長い写真は展示室内の電飾看板のような鉄剣の展示を撮影したもの。ついでだから推定される漢字を写真に重ねておきました。右が表面、左が裏面。さらに訓読を以下に Wikipedia から引いておきます。
(表)辛亥の年七月中、記す。ヲワケの臣。上祖、名はオホヒコ。其の児、(名は)タカリのスクネ。其の児、名はテヨカリワケ。其の児、名はタカヒ(ハ)シワケ。其の児、名はタサキワケ。其の児、名はハテヒ。
(裏)其の児、名はカサヒ(ハ)ヨ。其の児、名はヲワケの臣。世々、杖刀人の首と為り、奉事し来り今に至る。ワカタケ(キ)ル(ロ)の大王の寺、シキの宮に在る時、吾、天下を左治し、此の百練の利刀を作らしめ、吾が奉事の根原を記す也。
by fuefukin | 2010-07-06 21:56 | 歴史・文化

日常の延長に旅があるなら、旅の延長は日常にある。ゆえに今日という日は常に旅の第一歩である。書籍編集者@福生が贈る国内外の旅と日常、世界の音楽と楽器のあれやこれや。


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