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動物園で2 アムールトラ

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 ライオンの次といったら、やっぱりトラでしょうか。
 アムールトラ(シベリアトラ、チョウセントラ)は、かつては中国、朝鮮半島、満州、モンゴル、シベリアに広く生息していたが、現在はロシア極東の沿海州およびハバロフスク地方のアムール川、ウスリー川流域でのみ生息が確認され、その数推定500頭以下という、もはや絶滅といっていい状態にある。
 すでに絶滅したカスピトラ(ペルシャトラ)は、カスピ海沿岸のカフカスからアラル海周辺、イラン、アフガニスタン、パキスタン北部の山岳地帯にかけて生息していたが、最近行われた遺伝学調査では、現在のアムールトラとほぼ同一であることが判明しているらしい。中央アジア探検で有名な移動する湖周辺にもロプノールトラという仲間もかつていたらしい。ということは、このアムールトラ、ユーラシア全域で野生動物の頂点に立っていたわけだ。ユーラシアトラとわたくしは呼んであげよう。
 オスは全長3メートルを超え、なかには4メートル近い個体も存在したという世界最大のトラで、繁殖期以外は単独行動、オス1頭あたり数十平方キロメートルにおよぶ縄張りの森が必要というから、環境変化にはいちばん敏感だろう。図らずも開発という魔手にいちばん遠いタイガの森に生き残ることができているのは、偶然の幸福か。
 加藤清正の故事に登場するのはこのトラだろう。写真は多摩動物園にいる2頭のうちの1頭。名前はリング。
by fuefukin | 2010-06-08 09:50 | 動物

日常の延長に旅があるなら、旅の延長は日常にある。ゆえに今日という日は常に旅の第一歩である。書籍編集者@福生が贈る国内外の旅と日常、世界の音楽と楽器のあれやこれや。


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